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  • 執筆者の写真Syotaro Miyamoto

「Quo Vadis?」初演in札幌

5/6に行われた「二都物語ーであいー」において、混声合唱と連弾ピアノのための「Quo Vadis?」を初演していただきました。


指揮:相澤直人

ピアノ:河野紘子 松本望

トイピアノ:和田太郎

合唱:あい混声合唱団



音響的な部分が多い曲なのでホールで演奏してみないとわからない部分がたくさんありましたが、Kirara大ホールは響きも豊かながら言葉が聞き取りやすく、ここで初演を迎えられてとても幸せでした。


指揮の相澤先生をはじめ、ピアノの河野紘子さん松本望さん、トイピアノの和田太郎くん、あい混声合唱団のみなさまに心より感謝申し上げます。豪華すぎる方々に演奏していただけて本当に幸せです。



以下プログラムノートの引用です。

 

「Quo Vadis?(詩:星野徹)」は厳格で硬質な雰囲気が漂いつつも、物語性があり、日本語が美しい独特の作品で、長い間私の創作意欲を刺激していました。今回あい混声合唱団から「連弾ピアノと合唱で新作を」というオファーをいただき、編成や合唱団の性格がこのテキストとよくマッチしていると感じ、作曲をはじめました。

 詩は二つの部分(A・B)からなっており、異なる性格を有しています。


 第1曲の冒頭はサラバンド風に、重くゆっくりとした足取りではじまります。横の流れはどこか古風なものを感じさせますが、縦の響きは現代的な濁りをまといます。このリズム・和声素材は全曲を通して用いられます。

 またこの詩の一つのテーマである「死生」を表現するために、増4度(減5度)のモチーフ(転調)をよく使用しています(五度圏では対角線上に結ばれる)。「死と生」は相対するものなのか、はたまた隣り合わせのものなのか・・・。特に「神について 神を讃える言葉について」というテキストに沿ってそれははっきりと提示され、終結を予感させます。


 第2曲ではトイピアノが登場します。その異質な音色は世界(死生)を分断していくようなイメージです。またこの曲を支配する音列[E♭,D,B♭]がトイピアノ・連弾ピアノによって提示されます。それはリズムが次第にずらされていき、非現実的なサウンドを創造します。各声部には指定の音列を与え不規則に繰り返す場面を持たせるなど、この第2曲に関しては音響を工夫することで詩を表現しようと試みる部分が多くあります。


 連弾ピアノという編成はとても魅力的で、その語法の探求にたくさんの時間を割きました。私を一歩前へ進めてくれた創作の時間でした。テキスト選びを含め、自由に書かせてくださったあい混声合唱団にこの場をお借りして感謝申し上げます。

 

美味しいものもたくさんいただき、北海道最高だなぁという幸福を感じると同時に、初演が終わってしまった寂しさも少し感じながら本日帰京しました。


今週末は故郷・岐阜での打ち合わせがあったりして慌ただしい日々が続きますが、体調に気をつけて頑張ろうと思います。


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