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執筆者の写真Syotaro Miyamoto

委嘱作品について②

今週末行われる全国NHK全国学校音楽コンクールにて委嘱作品を演奏していただきます。(音源公開されました)自分の中での整理も含め、曲についてお話しさせてください。


 

会津高等学校合唱団委嘱作品

混声合唱とピアノのための「pray」(詩:萩野なつみ)


詩を初めて読んだ時、タイトルにもなっている「祈り」が香る雰囲気のなかで「光と影」を音にしたいと思いました。ひとりになるから他を感じ、死があるから生がある。その双方向の関係は「雨(陰る世界)」と「春(光がさす世界)」という言葉に集約されています。(あくまで私の解釈です)


音楽では、雨のモチーフ(=A durで提示される静かな16分音符の反復)が旅を経て、春(=雨のモチーフがC durで雄大に再現される)へと到達するように表現しています。

また、雨と春が歌われる前の和音は同じB♭の和音ですが、「雨」へは短二度下行、「春」へは長二度上行させることで、同じモチーフでも差が明確に生まれるようにしました。


今回は詩ごとに挿入されているアスタリスク(*)を音にしました。空白を伴って開始される無機質な2声の下行音型は、世界を移行させる大事な役割をもたせています。


これまで萩野さんの作品には「風紋」「冬の底で」「春光」そして今回の「pray」と4作品に曲をつけさせていただきましたが、どれも大好きな作品で毎回違った景色をみさせていただいています。

 

Nコン全国大会は10/12にNHKホールで行われます。また生放送もされますのでぜひ聴いていただけると嬉しいです。


▼詳細はこちら


私も現地で、各都道府県から選ばれた代表11校の演奏を聴かせていただきます。皆さんの集大成が最大限発揮されることを心から祈っています。



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